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先ず隗(かい)より始めよ

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ども,久々の中国古代史座談会のサスペンダーです。 AWさんのブログ {link=http://blog.kcg.ne.jp/blog/AW/12205}ティーマ マグカップ{/link}に「まずカイからはじめよ」の故事成語がありました。 これは,書かなくては! 時は戦国,波乱の時代。 戦国の七雄と言われる国が,中華統一に向かっていた頃の話です。 戦国の七雄というと,斉,楚,秦,燕,韓,魏,趙ですね。 この中で,最終的に中華を統一したのが,秦です。 秦王政は,自ら始皇帝と名乗ったわけですね。 さて,始皇帝の中華統一よりさかのぼること,90年ほど前の燕での出来事です。 燕は戦国七雄の中では最少で,場所は東北に位置していました。 燕の首都の燕京は現在の北京です。 さて,この燕という国は,王位をめぐってゴタゴタがあり,隣国の斉という国に滅亡寸前まで追いやられました。何とか,滅亡を免れた燕も昭王という王様が現れ復興に向かいました。 そこで,学者の郭隗 ( かくかい)に尋ねました。 「天下の優秀な人材を招いて,国を豊かにし,斉に復讐するにはどうしたら良いだろうか。」 すると,郭隗は答えました。 「私は,次のような話を聞いたことがあります。 昔,ある王様が千金で,一日に千里走る馬を手に入れたいと求めました。 しかし何年経っても手に入れることが出来ませんでした。すると、一人の家臣が,『私が行きましょう』と言って,探しに出ました。 彼は,すぐに千里の馬を見つけましたが,すでにその馬は死んでいました。しかし,彼はその死んだ馬を五百金で買って帰り, 王様に報告しました。 王様は大いに怒り, 『私が欲しかったのは,生きている馬だ。どうして死んだ馬に五百金も払って来たんだ。』 と言いました。家臣が答えるには, 『死んだ馬ですら五百金で買ったのだから,生きている馬ならいったいいくらで買うのだろうと考え, 千里の馬は向こうからやって来るでしょう。』 その結果,1年も経たないうちに千里の馬が3頭もやってきた, ということです。 王がもし,本心から優れた人物を招きたいなら,まず郭隗よりお始め下さい。 (先づ隗より始めよ) あの郭隗程度の者でさえ,あれほどの抜擢を受けるのだ。自分が行けばさらに優遇されるはずだ。そう考えて,私より優れた人物は千里の道も遠しとせずに集まるでしょう。」 そこで昭王は,郭隗のために宮殿を築いて,彼を師と仰ぎ優遇しました。 すると, 楽毅(がっき)(名将)や 蘇代(そだい)(縦横家蘇秦の弟),趨衍(すうえん)(陰陽説の祖)などの人材がぞくぞくと集まり,ついに斉を滅亡寸前まで追いつめたのでした。 この故事から,「先ず隗(かい)より始めよ」とは,「身近なものから始めよ」という意味で,それが転じて「言い出した者から始めよ」という意味で使われています。 それでは。

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